◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ アート トレンディー Art Trendy.net No81◆◆
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2006.9.4
目次
1.《絵画市場の基礎知識! 》 第5話・鑑定
2.《日経ビジネス“杉江隆の美術散歩”》
3.《Art Trendy.net》
4.《Art Trendy カフェ》
5.《アートログ》
6.《メルマガ・バックナンバー》
■《絵画市場の基礎知識!》 第5話・鑑定
前号までに事例を交えてお話ししましたが、美術品を売買しよう
とする場合には、必ず「鑑定」が取引の前提となってきます。
そこで今号からは現在の鑑定のシステムがどのようになっている
のかについてお話したいと思います。
皆さんはどの作品にも鑑定証は発行されると思ってはいないで
しょうか?
実はこれは大変な誤解です。
古今東西、江戸時代からの有名な作家を数えると優に3000名を
超えています。
しかし美術年鑑社の「鑑定家一覧」によれば、鑑定できる作家の
数はその10分の1にも満たない約250作家しかいないのが現状です。
しかもそれは日本画、洋画、彫刻、工藝それぞれの分野の作家を
合計した数です。
また、その約250作家を鑑定する鑑定家のほとんどは、明治以降
の近代作家をカバーエリアとしています。
江戸時代以前の場合には鑑定人がいて鑑定の可能な作家は僅か
10名にも満たないのです。
すなわち、鑑定家がいるのは明治以降の約240名の作家だけで、
江戸時代以前の作家に関してはほとんど鑑定家がいないのが
現実なのです。
裏返すと古美術品に関しては来歴(例えば徳川家伝来とか)が
はっきりしているもの意外は、その判定は明確にはわからない
ということになります。
さて鑑定人についてですが、ほとんどの鑑定人は、一人の作家
を専門に鑑定しています。だいたいその作家の遺族や弟子たちが
鑑定人になるケースが多いと思います。
ただ例外として、東京美術倶楽部鑑定委員会では複数の作家を
鑑定しており、美術年鑑の鑑定人250作家の内、3分の1にあたる
約80名を鑑定対象としています。
その東京美術倶楽部鑑定委員会について簡単に説明したいと
思います。
それは昭和52年に発足し、現在のところ、物故日本画家28名、
物故洋画家57名の鑑定を行っています。
日本画は毎月9日、洋画は毎月25日に、それぞれ10名の鑑定委員が
集まって行ないます。
そしてその鑑定作業は厳密かつ公正、科学的に行なわれています。
10名全員が○をつけないと本物として鑑定証は発行できないことに
なっており、鑑定委員の1人でも×をつければ鑑定が通らないことに
なります。
費用は一作品につき鑑定料3万円、真筆となれば鑑定証書代金として
3万円が加算され、計6万円となります。
但し、藤田嗣治のみ鑑定料5万円、鑑定証書3万円の計8万円となって
います。
東京美術倶楽部の場所は港区の芝御成門、日本赤十字社のとおりを
挟んだ真向かいにあります。
それでは次号では、作品の購入や売却の際に、作品の鑑定を
どのように進めたらいいのかを具体的に説明したいと思います。
ー 次号に続く −
■《日経ビジネス“杉江隆の美術散歩”のお知らせ》
“杉江隆の美術散歩”が日経ビジネスオンラインで連載される
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